小さい頃の話ですが、私の不注意により、泥棒の被害にあったことがあります。それは祖父の家の、敷地内にある物置というか、大き目の倉庫でのことでした。祖父の家に行くと私はよく、祖父の家で飼われている犬の散歩に行きたがりました。その日も犬の散歩に行く許可を祖父から取り、いつものように倉庫のカギを開けました。倉庫から犬の散歩紐を出し、散歩の後はきちんと紐を元の場所に片づけました。でも、その後倉庫に施錠するのを忘れたのです。その日の夜倉庫に泥棒が入り、結構値の張る工具などを盗まれたそうです。祖父は私を叱りませんでしたが、私は子ども心にひどく自分を責めました。それ以来、カギをかけ忘れないということには、人一倍気を使っているほうだと思います。

まずカギを掛け忘れないためには、カギへの意識から大切にしています。よく無造作に鍵束をテーブル上に置く人がいますが、私はそんなことはしません。鍵用にやわらかなポーチを用意して、そのポーチは落としたりしないよう、紐とフックがついていて、バッグのどこかに結び付けられる工夫をしています。カギを使う時にはそこから丁寧に出し、カギをかけたらまたしまいます。自宅でも、玄関扉のすぐ横にフックを設置して、帰宅したらそのポーチをフックにかけます。ここが家での定位置です。外出する時には靴を履いたらカギをポーチごとフックから取り、外に出てカギを掛けてから、今度はカギをバッグのどこかに結びます。持っているバッグのどれにでもつけられるよう、ポーチの工夫は万全なのです。

カギの扱いにひと手間かけることで、カギを掛けるという行為自体にも意識が行きます。この工夫により、私はカギを掛け忘れるということは全くなくなりました。ほんの短時間であってもカギは必ずかける。カギをかけるということは、家、財産を守り、自分の肉体も、精神的にも守ってくれる、大切な行為なのです。

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